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「いにしえのiPhone」

みんな今週もおつかれ。
坂元裕二の「ファーストキス」観に行きたいんだけどさ、あれずっと混んでない?気になってすごい調べてるからアルゴリズム?が学習してしまったみたいで、インスタで情報が回ってきすぎている。
もはや観たのかなってぐらい詳しいです。

アルゴリズムってあれなんなんだろう。SNSって自分の知らない範囲のことを無作為に知れるから社会の縮図としての面白みを多少感じていたんだけど、アルゴリズムによって自分の興味のある範囲のことがだけが選別されてる感じ、ちょっと退屈になってきちゃった。
人間もそうだけど、自分好みにカスタムできない面白さってあるじゃないですか。
カスタムできる面白さと、できない面白さの棲み分けは大事にしていきたいですね。
自分の境界をこえた物事はカスタムできないことの方が多いですから。


先週「ご飯食べる友達は大事にしたいね」って話をここでしたと思うんだけど、それを見た親友から久々に連絡がきて一緒にご飯食べてきた。
可愛いものにしかお金使いたくないんだよねって言いながら可愛いアイドルとキャラクターを一生推してるんだけど、昔から1番好きな食べ物はマグロだし、1番好きな飲み物は牛乳なんだよね。
あ、そこはそうなんだ、って。

学生時代の、いわゆる多感な時期からずっとマグロ(寿司の時もあった)と牛乳が1番好きって言い続けてるんだけど、そういうところがすごい好きなんだよね。
好きな食べ物ジャンルで言ったら、お世辞にも可愛い部類ではないでしょ。「tuna」「milk」でぎりぎりじゃない?
この感覚わかるかなー、なんかわかんないけど、「そこはそうなんだ」っていう信頼感があるんですね。


私の多感な時期って、文字通り"多感"だったから、特に固有名詞を発音するのがすごく苦手で。
たとえば1番好きなアイス、ほんとはチョコモナカジャンボだったけど、「ジャンボ」って単語を口に出すのが恥ずかしくて言えなかったり。
あと大好きなのに「MOW」もちょっと恥ずかしかったし、「牧場しぼり」もこっそり食べてた。

アイスって本気で美味しさを伝えようとすると、頭の中に牛を連想させるでしょ。
あれがね、自分の発した言葉で相手の脳内に牛を歩かせてしまったらどうしようと思って、なかなか言いづらかったの覚えてる。


同じ部類で、小中学生の頃は英語の授業がすごく苦手だった。
先生が誇張して発音するvanillaのVが生々しくて、唇がいつもより大きく、ゆっくり震えてるように見えたり。
あ、これはね、この前ヤン・シュヴァンクマイエルのオテサーネク観て思い出した話。

けどさ、今になって、やっぱり英語話せるって人めちゃくちゃかっこいいとか思ったりする。
この前ついにDuolingoに登録したもん。
ふんで、ちょっとサボったらDuoからメンヘラな通知が送られてくる。
(etc.リマインダーがあまり役に立っていないみたい。もうリマインダーを送るのはやめるね。)


まあそんな感じで、その延長線上に今の自分がいるとは思えないくらい、他人事みたいに茶化すこともできるんだけど。
んー、けど、やっぱりあの過敏さを、今もそう感じている人と会った時のために覚えていたいなと思ったり。そしたらさりげなく、それとなく、こっそり、心遣いができるかもしれないからね。

前に私がずっと使ってた古いiPhoneのことを、古いねとかボロボロだねとかじゃなくて、何とか言葉を探しながら「すごい、いにしえだね」って言ってくれた人がいて、あれは走馬灯で流れて欲しいくらい好きな瞬間でしたね。
これに関しては「何がいいの?」って思った人も正解です。



と、そろそろみんな私のこと知った気になってきたんじゃないですか?
一応ブログの体裁をとっていますけど、日記じゃなくてエンタメなんでね。ぜんぶ本当でぜんぶ嘘ですよ。


そうそう、この前久々に実家に帰ったら、おばあちゃんが「オッケーGoogle、電気消して」と得意げに言ってました。
絶対手で消した方が早いのに、かわいいね。

ではまたこんど。

海 (2025.03.14 更新)




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