リーガルリリーBa.海の部屋
「第六回:ロマンス、ブルース、ランデブー(雑記)」
1月2日
はじめまして、2021。
201… さんたちは意気揚々と去っていったのに2020さんは「なんでわたしってこうなのかしら、、ごめんなさい、さよならっ!!」と走り去ってしまった。
いつかどこかで見つけたら新しいリップでもプレゼントして元気付けてあげたい。
夜中に行こうとしたバッティングセンターは閉まっていた。
時間がないからと言ってタクシーで向かったのに閉まっていた。
「これからバッティングセンターにいっきまーす!」とはしゃいでいる動画だけが残った。
1月9日
“月明かりを浴びて走り回っていると、黒人の子供が青く見える”
ムーンライトという映画での台詞がずっと頭に残っている。
そんな青をわたしは見たことがないけれど、きっと魅力的な色をしているのだろう。
一度見たら目を逸らすことができないくらい深く輝く青であってほしい。
1月11日
2年前同窓会でみんなに配られた「未来の自分への手紙」はわたしの中身だけ無かった。
きっと封を開けた瞬間に落としたのだろう。
しかし中学の自分は異常なまでに用心深く(あるいは自意識過剰)であったので、未来の自分へ向けたとて、まさか心の内を曝け出すような恥ずかしいことを書いてないと願いたい。
尚、2年たった今でもみつかっていない。
1月16日
一昨年の誕生日にもらったスニーカーは白というかグレーになっていて、自分でももう限界かな?と思っていたところ、遂に「それはちょっと、汚いかな?」と言われてしまった。しかたないから高校受験合格祝いにもらったマーチンを引っ張り出した。
大学生になってからなんだか恥ずかしくて履けなかったけど、邪念を捨てたら結構いけてる。
1月19日
2021年のおみくじは凶だった。待ち人も旅立ちも万事悪し。どうしようもないな。
ここで結んで帰るなんてどうも癪だし
しょうがない、せめてお前は本の栞にしてやろう。
暖房の効きすぎた部屋に弾ける蜜柑の香りとチョコレート色の爪、今のわたしが凶だなんて到底思えないなあ。
1月20日
昨日買った本に出てきたパン屋さんは既に移転していて跡形もなかった。
財布を忘れてわざわざ家まで取りに帰ったのに
近くの喫茶店も今日はやっていなかった。
万事悪しを痛感している。
枝豆(以前懐いてきた黒い野良猫)らしき猫を久々に発見したので後をつけてみた。何度も後ろを振り返ったのできっとそう。大きい道路も慣れたように渡り美味しいカツカレー屋さんに案内してくれた。
やっぱり昨日のは訂正。凶のおみくじを栞になんてしておけない、燃やして成仏。
ベランダの金麦と一緒にさよならだよ。
1月22日
ロマンス、ブルース、ランデブー。
少しの芋臭さがわたしは好き。
1月25日
唐揚げは宇宙からの侵略者である!
KARA/AGE!!
宙から降ってくる無数の唐揚げに頭を撃たれて死ぬならそれもまた本望。
1月28日
今季初めてしっかりとした雪を見た。
カチコチに凍った月がゴチンっと割れてじゃりじゃりと破片が降ってきたみたいな雪だった。
時々自分に犬みたいに尻尾が生えてなくて良かったと思う。
きっと今日なんか電車に乗っても降っている雪を見ながらブンブン尻尾を振り回したりして、
隣の人に当たって
「あ、すみません、、(ブンブン)」
なんてことが起こっていたに違いない。
海 (2021.01.30更新)
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「第二十五回:愛をこめて」
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「第二十四回:skin」
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「第二十三回:初夏、爆ぜる」
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「第二十二回:ばらの花」
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「第二十一回:City Lights」
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「第二十回:たまらない」
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「第十九回:cell」
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「第十八回:生業として」
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「第十七回:何もかも憂鬱な夜にはスープのことばかり考えて暮らした。」
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「第十六回:李の季節」
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「第十五回:整理番号0番、Kの夜」
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「第十四回:雨男のバイブル」
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「第十三回:デロリアンに乗って」
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「第十二回:抱擁」
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「第十一回:金麦、時々黒ラベル」
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「第十回:そして春が終わる」
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「第九回:青色の街、トーキョー」
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「第八回:生活のすべて」
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「第七回:世界の絡繰」
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「第六回:ロマンス、ブルース、ランデブー(雑記)」
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「第五回:キリンの模様」
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「第四回:一切合切」
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「第三回:愛おしい(いと おいしい)時間」
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「第二回:キッチン」
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「第一回:猫と金柑」