リーガルリリーBa.海の部屋
「第四回:一切合切」
春に書いたブログで猫が庭で生まれて大雨を境に子猫だけいなくなった話をしましたが、なんとおなじお母さんがまたうちの庭で出産しました。野良猫とはいえどどんな気持ちなのかなと、猫と人は近いようでまだ遠いでみたいですね。
9月に入ってから急に大粒の雨が降ったり、かと思ったらキラキラに晴れたり不思議な天気が続いているけど、そんな天気が案外好き。
ザーーっと降り出した雨に濡れた前髪も、おなじように濡れた人に「降られましたね。」って心の中で言いながら顔を見合わせるところも、嘘みたいに晴れたとき街中が謎の一体感に包まれるところも全部この季節の醍醐味だなーなんて。
そんなこんなでもう夏の終わり。育てていた朝顔も92日目に花を一つ咲かせてから、つづけ!と言わんばかりにたくさんの花を咲かせた。おつかれさま、ありがとうね。
今年の夏が終わったら何を思い出すんだろう。
公園にいた蛙のことか、八百屋のおばちゃんにバンド聴いたよ!って言われたことか、やっとお客さんの前でライブできたことかな。
いや、次の夏までに一切合切を忘れてるかも。
けど「好きな夏の歌ってなに?あ、そんな曲聴くんだ意外、似合わないね〜」って言った人の顔は絶対忘れない。
振り返れば例年とは比べ物にならないくらい味気ない時間だったけど、きっと何もしないようで何かしてた。
わたしが"2020年夏"だったら「なんかよくわからんけどとりあえずごめん、、」って落ち込むだろうから、
「もう、なーにいってんの!こんな夏も好きだよ」って抱きしめてあげたい。
海 (2020.09.24更新)
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「第二十五回:愛をこめて」
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「第二十四回:skin」
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「第二十三回:初夏、爆ぜる」
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「第二十二回:ばらの花」
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「第二十一回:City Lights」
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「第二十回:たまらない」
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「第十九回:cell」
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「第十八回:生業として」
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「第十七回:何もかも憂鬱な夜にはスープのことばかり考えて暮らした。」
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「第十六回:李の季節」
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「第十五回:整理番号0番、Kの夜」
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「第十四回:雨男のバイブル」
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「第十三回:デロリアンに乗って」
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「第十二回:抱擁」
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「第十一回:金麦、時々黒ラベル」
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「第十回:そして春が終わる」
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「第九回:青色の街、トーキョー」
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「第八回:生活のすべて」
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「第七回:世界の絡繰」
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「第六回:ロマンス、ブルース、ランデブー(雑記)」
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「第五回:キリンの模様」
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「第四回:一切合切」
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「第三回:愛おしい(いと おいしい)時間」
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「第二回:キッチン」
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「第一回:猫と金柑」