リーガルリリーBa.海の部屋
「第三回:愛おしい(いと おいしい)時間」
おいしい時間は愛おしい時間。
わたしのおいしい時間は好きな人の隣でご飯を食べるときと、こんな時間にこんなもの、、いいのかしら?の時間。
子供の頃夕食は家族全員で食べていて、わたしは決まっておじいちゃんの隣に座っていた。なんでかって、おじいちゃんの席の周りにはお肉もお刺身も特別おいしいものが集まっていたから。今になっては特別どころか完全に酒の肴だっただけだけど、当時のわたしにはおじいちゃんが食べてるものは全部大人の食べ物に感じたし、そんなのを隣にちょこんと座って分けてもらうのがわたしのおいしい時間だった。
もうひとつはただの不摂生だけど、夜中にアイスをでっかいスプーンで頬張る時とか、こちらも夜中に映画を見ながら無性にナポリタンが食べたくなって作って食べちゃう時間のこと。
別にナポリタンが特別好きなわけじゃないし、昼間にお店に行っても多分頼まない。オムライスのが好きだし。
なにが言いたいかっていうと、わたしのほっぺたもお腹も太ももも食べ物が美味しいから膨れたんじゃなくって幸せな時間が愛おしいから膨れたの。幸せがたくさん詰まってるってこと。
なんて素敵な話なんでしょう。
ちょっとくらい久々に履いたライブ用のスキニーが締め付けてきたからってなによ!
これからもおいしくて、愛おしい時間をずっと頬張っていくんだから。
海 (2020.09.15更新)
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「第二十五回:愛をこめて」
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「第二十四回:skin」
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「第二十三回:初夏、爆ぜる」
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「第二十二回:ばらの花」
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「第二十一回:City Lights」
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「第二十回:たまらない」
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「第十九回:cell」
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「第十八回:生業として」
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「第十七回:何もかも憂鬱な夜にはスープのことばかり考えて暮らした。」
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「第十六回:李の季節」
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「第十五回:整理番号0番、Kの夜」
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「第十四回:雨男のバイブル」
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「第十三回:デロリアンに乗って」
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「第十二回:抱擁」
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「第十一回:金麦、時々黒ラベル」
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「第十回:そして春が終わる」
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「第九回:青色の街、トーキョー」
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「第八回:生活のすべて」
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「第七回:世界の絡繰」
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「第六回:ロマンス、ブルース、ランデブー(雑記)」
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「第五回:キリンの模様」
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「第四回:一切合切」
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「第三回:愛おしい(いと おいしい)時間」
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「第二回:キッチン」
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「第一回:猫と金柑」