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オーガスタのアーティストにしかできないアコースティックオーガスタキャンプ


    オーガスタキャンプの魅力って何だろう?オーガスタキャンプをどうする?10回を数えた2009年以降、アーティストとともにいろいろな場面で考えてきました。自分たちのやりたいこと、イベントとして表現したいこと、果ては今の音楽業界における意義、文化としてどうあるべきか?に至るまで、それは楽しくも、真摯な議論でした。その1つの答えが昨年2009年の、アーティストの組み合わせを変えて、複数個所での開催による「オーガスタキャンプ2009~EXTRA」でした。その場所ならではのアーティストの組み合わせが生む化学反応や、初のライブハウスや屋内での開催、開催場所の地域振興への貢献、もちろん楽しんでくれたお客様の力も加わって、この形式も大成功に終わることができたと同時に、いろいろと意義のある経験だったと思います。
 すべての公演が終了した2009年の暮れに、もういちど各アーティストを交えてオーガスタキャンプを見つめなおすミーティングの機会を持ちました。一様に話し合われたテーマは「僕らにしかできないこと」でした。それは自分たちの音楽を見つめなおすことでもあったのです。

  「声」「歌」「コミュニケーション」「表現方法」・・・アーティストの根幹ともいえることを話し合っているうちに一つの共通点を見出しました。それは、オーガスタのアーティストは全員、「うた」の最小限の表現方法を持っているということです。自ら演奏し歌う、「弾き語り」であったり、歌とピアノやギターの伴奏という編成であったり、いずれもアーティストの歌声とグルーヴ、感情を最もオーディエンスに伝達しうる形式です。それは声を飾ることなくむき出しにしてさらけ出し、己以外に頼るものがない演奏を自ら課していくことです。天性の声と、完璧な歌唱スキルと、強靭なハートと、一人でも観客の視線を自身に釘づけにするアーティスト性を持ち得ていないと成り立たない、まさにアーティストの真価を問われるということでもあるのです。
 山崎まさよし「ONE KNIGHT STAND TOUR」、スガ シカオ「Hitori Sugar Tour」、スキマスイッチ「DOUBLES」TOUR、秦 基博「GREEN MIND」…。全国展開したツアーとしてこの形式を自らに強いたアーティストがこれだけいるプロダクションはほかにはありません。もちろん長澤知之はバンドでのスタイルとは別にアコースティックでのライブコンテンツを持っていますし、さかいゆうもピアノで同様のスタイルのパフォーマンスが圧倒的です。バンドサウンドが秀逸なCOILも岡本定義の恒例のように行われる弾き語りのライブは人気がありますし、ボーカリストであるはずの元ちとせも島唄という三味線をもって弾き語りオリジンともいえる形式がルーツであり、杏子も音楽の入り口は、アコースティックギターの弾き語りでした。つまり、オフィスオーガスタアーティストの遺伝子であるかような「アコースティック」という文化は、実はオーガスタアーティストである「必然」ともいえるものなのです。

    勿論オーガスタキャンプが他のイベントと一線を画すその独自の魅力はアーティスト同士のコラボレーションによる演奏やオリジナルソングの制作にもあるでしょう。例年繰り広げられるこの趣向はアコースティックという表現方法のフットワークの良さを生かし、より活発におこなわれることになるはずです。そして何よりも、もっとお客様に「歌」を伝えることができないだろうか、もっと声と声が寄り添うことができないだろうか、みんなで歌うことができないだろうかということを第一に「アコースティック」ということを考えていきたいと思います。アーティストの意志によるところが強いと思いますが、野外イベント規模でオーガスタキャンプほど出演者とお客様との距離が近いイベントは他にはなく、実はそれこそがオーガスタキャンプの最大の魅力なのではないでしょうか。
 もっと伝えたい。もっと届かせたい。もっと近づきたい。会場全体で表現したい。それはきっと一つのメッセージにさえなりうると思います。オーガスタキャンプというイベントにしかできないこと。オフィスオーガスタのアーティスト達にしかできない「アコースティック・オーガスタキャンプ」。是非ご期待ください!


山崎まさよしトリビュート


    山崎まさよしは今年2010年で、デビュー15周年を迎えます。5年前に10周年記念を大々的に祝っていますから、区切りがいいとはいえ特に「周年」にこだわっているわけではありません。それよりも、今回のオーガスタキャンプが「アコースティック」を標榜することと15周年がたまたま重なったということが、興味深いと思います。

    「アコースティック」と山崎まさよしとは同義語であるかもしれないことに異論を唱える人は少ないのではないでしょうか?もちろん、山崎まさよしがこのスタイルを発明したわけではありません。それは、もしかしたら世界に「うた」というものが最初にできた時からありえたスタイルだということは想像に難くないでしょう。POP MUSICにおいても、山崎のルーツであるデルタ・ブルーズにはじまって、永らくFOLKの表現方法としても定着したスタイルです。ですが、確かに言えるのは、日本のポップスシーンにおいて「アコースティック」がバンドやオーケストラをバックに歌うことと同価値、またはそれを凌駕する表現であることを定着させたのは、間違いなく山崎まさよしであるということです。デビュー15周年である2010年は「ONE KNIGHT STAND TOUR 1999-2000」で武道館はじめ各地アリーナにて弾き語りライブを行ってから10周年、でもあります。今回のオーガスタキャンプでオーガスタアーティストが各自のアコースティックのスタイルで表現し、お客さんを最大限に楽しませる。このことが山崎の15年に対しての最大の敬意になると思います。そして、COIL、スガ シカオのトリビュートをオーガスタキャンプで披露した時と同じように各アーティストは山崎まさよしの膨大なるレパートリーから、自分がカバーするべき楽曲を披露することになります。ある時は弾き語り、ある時はユニットを組んで。誰がどのようにどの曲を演奏するのか、本番までのお楽しみです。


快適なイベント空間を目指して


    今回初めての開催となる夢の島公園陸上競技場は、交通の便利さがあり、アコースティックを聴くにふさわしい緑に囲まれ、都内においては奇跡的に空が一面に抜けて見える素晴らしい会場です。観たいお客様がかならず参加していただけるように、同内容2日開催とさせていただきました。もちろん所属アーティスト全員が出演します。音楽は繊細で、壊れやすいものです。楽しむことをはばむあらゆることを改善していくべくスタッフ全員体制で臨みます。毎回このことは取り組んでまいりましたが、これまでの開催でお客様から頂いた要望などをもとにし、快適さを追求していくイベントを目指します。十分なトイレの数、フードコートと飲食の確保、ごみについての対策、お子様連れのお客様のためのアクティビティ、開場時や休憩の際のアクティビティはもちろん、今回初めてブロックを升目状にして入場時に配布するシートによる座席指定方法を導入いたします。入退場時のシステムなども、より皆様がストレスなく楽しんでいただけるための方法を検討中です。お客様が家を出て、楽しんでいただいたのち、家に帰るまでがオーガスタキャンプだと考えております。


オーガスタキャンプ2010 プロデューサー 穂苅太郎



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