04. 桜の闇のシナトラ feat.John Scofield, Steve Swallow, Bill Stewart
世界で一番好きなギタリストJohn Scofield(以下ジョンスコ)との共演が実現しました。
この曲は、ジョンスコと一緒に演奏する為に書いたスケッチで、デモ段階の仮タイトルは「New York Miracle」、まさにニューヨークでこれから僕に巻き起こる奇跡、デモ作りにも精が出ました。
このまま出しても問題ないってくらいのデモを作りジョンスコに聴いてもらって、メンバーのチョイスなどの相談にも乗っていただきました。
奇跡的に本物のJohn Scofield Trio…つまり、ベースのSteve Swallow、ドラムのBill Stewartまで全員が6時間だけスケジュールが合う日がありました。
しかし、6時間でゼロから2曲、音決めやアレンジの細かい詰めなどが慣れない環境で不安でしたが、な、な、なんと、蓋を開けてみると両曲2〜3テイクずつ、始まって2時間後にはプレイバックを聴いてました。
お土産で買って行ったモナカをみんなで食べながら、YEAH YEAHって言いながら。。
ジョンスコはシールドをギターアンプに刺してポロポロ弾いた瞬間から、僕が10数年憧れ聴いてきたジョンスコそのものの音でした。
ほかの御二方も同様、マイクのスイッチをオンする以外に、何もする必要、言う必要がないと直感しました。
帰国後、僕がNYでジョンスコとレコーディングをする事を知っていたミュージシャンから「セッションどんな感じだったの?どんな人だったの?」と、根掘り葉掘り聞かれました。
そらそうです、ジョンスコとレコーディングしたんですから。
僕はいつも通り、スタジオで演奏してる時は無心に自分の内外から聴こえてくる音に反応しているだけでした。
ただ、ジョンスコがエモーショナルに歌うようにギターを弾くたび、ブルブルと鳥肌が止まりませんでした。自分のワンマンライブでも、あんな至福の鳥肌タイムは続きません。あの日はずっと感動の鳥肌の中で演奏していた気がします。
作詞は日本歌謡界の重鎮、売野雅勇さんです。
ジョンスコトリオとこの曲をセッションする時、僕が唯一彼らに伝えたのは、「ニューヨークに咲く日本の桜」でした。
このディレクションをジョンスコはとても気に入ってくれて、それに応えてくれたジョンスコによって、ニューヨークのサウンドでありながらどこか和も感じられるフレーズ、独特なサウンドになりました。そしてその事を売野さんにも伝えました。
売野さんとは初対面でしたが、話が面白くて盛り上がり、30分の予定が気づけば2時間近く経ってました。
その時の会話の一部です。
「どんな風に書いて欲しい?」
「僕は仕事の為にじゃなく人生の為に音楽を作ってます、そんな感じでよろしくお願いします」
「...笑。うん、分かったよ、ホントの事書くよ」
そして上がって来たのがこの歌詞でした。震えました。