RHYMESTER、大橋卓弥(スキマスイッチ)、秦 基博など豪華アーティスト参加!さかいゆう初のコラボレーションアルバム。
初回生産限定盤には2014年6月15日、渋谷公会堂で行われたさかいゆう TOUR2014 "Coming Up Roses" SPECIALから
約40分におよぶ秦 基博、Emi Meyerらを迎えたコラボレーション曲を中心としたライブ映像を収録。
リリー・フランキー描きおろしジャケット。
ⓒLily Franky
初回生産限定盤
ⓒLily Franky
通常盤
初回生産限定盤(CD+DVD) (AUCL-175~176):¥3,700+税(税込3,996)
通常盤(CD) (AUCL-177):¥2,950+税 (税込 3,186)
★2/4発売「さかいゆうといっしょ」購入特典決定のお知らせ!!
2月4日(水)発売「さかいゆうといっしょ」の初回生産限定盤、通常盤いづれかを下記の対象店舗にてご購入頂きますと、先着で下記の特典をプレゼントします!
先着となりますのでご予約・ご購入はお早めに!
●特典:「さかいゆうといっしょ」ジャケット絵柄ステッカー
対象店舗はこちら⇒
<PC/スマートフォン>
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<フィーチャーフォン>
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※特典は数に限りがありますので、無くなり次第終了となります。予め御了承下さい。
※下記店舗以外での配布はございません。ご了承下さい。詳しくは各店舗にお問い合わせください。
★2/4発売の「さかいゆうといっしょ」に合わせて、配信限定商品「さかいコラボ」のリリースが決定!
1/21(水)よりiTunesにて「さかいコラボ」の予約受付がスタートしました。
予約すると新録楽曲「Mirror feat.お客さん」が先行ダウンロードできます。是非チェックして下さい!
iTunes:さかいコラボ - さかいゆう
また、「Mirror feat.お客さん」に加え
「薔薇とローズ feat. Little Glee Monster」「闇夜のホタル feat. 日野皓正」の新録3曲が着うた(R)配信スタート!
こちらも合わせてチェック!
レコチョク:http://recochoku.jp/artist/30048276/
1. 「SHIBUYA NIGHT (featuring TOMOYASU TAKEUCHI)」 (竹内朋康) |
2. 「生まれてきてありがとう feat. さかいゆう」 (KREVA) |
3. 「記念日 feat. さかいゆう」 (マボロシ) |
4. 「ピアノとギターと愛の詩(うた)」 (大橋卓弥<スキマスイッチ>) |
5. 「シロクジ feat.さかいゆう」 (KOHEI JAPAN) |
6. 「Magic Hour feat. さかいゆう」 (RHYMESTER) |
7. 「LOVE & LIVE LETTER」 (福耳) |
8. 「いつもどこでも feat. さかいゆう」 (冨田ラボ) |
9. 「Hold You feat. Yu Sakai」 (Ovall) |
10.「ピエロチック feat. 秦 基博」 (秦 基博) |
11.「Life is feat. Emi Meyer」 (Emi Meyer) |
12.「薔薇とローズ feat. Little Glee Monster」 (Little Glee Monster) |
13.「Mirror feat. お客さん」 (Audience at さかいゆう 5th Anniversary SPECIAL LIVE)
※帝人企業CMソング |
14.「闇夜のホタル feat. 日野皓正」 (日野皓正) ※NHK BSプレミアム「アイアングランマ」主題歌 |
1.OPENING |
2.SHIBUYA NIGHT feat.竹内朋康 |
3.EMERGENCY feat.竹内朋康 |
4.Life is feat. Emi Meyer |
5.愛するケダモノ feat. TOKU |
6.ピエロチック feat. 秦 基博 |
7.薔薇とローズ |
竹内朋康
KREVA
KOHEI JAPAN
杏子 FROM 福耳
冨田ラボ(冨田恵一)
Shingo Suzuki (Ovall/origami PRODUCTIONS)
Little Glee Monster
日野皓正
青木 優
このアーティストがたどってきた道のりが浮かび上がって見えるかのようなアルバムである。それは、さまざまな人たちとのかけがえのない出会いの跡であり、また、豊かな音楽とともに育んできた時間の積み重ねであり……そして、彼が自分の才能とエネルギーを懸け、夢と情熱を燃やし、カタチにしてきた証でもあるのだ。
「<意外にコラボやってるんだな>とは思ってたんです。僕、自分のiTunesの中に<さかいゆうWORKS>ってリストを作ってたんですね。今までに提供、コラボした曲だけでも20何曲あって、これで自分の歴史をたどると、変化が見てわかるなと思ってて。で、デビューしてから5年経ちましたし、節目かなと思って、ここはコラボ・アルバムかな……と思ったんですけど。ほんとは僕が聴きたいんですよね、車の中で(笑)。だから古いものから新しいものを年代順に並べる事にしました。で、せっかく作るんだったら、新録でコラボの曲を作りたいなとも思ったし」
こうして構想されていった『さかいゆうといっしょ』には、全部で14曲を収録。11曲にはさかいはインディー時代から行ってきたコラボの楽曲も並び、そこに新録音のコラボ曲が3曲(うち、純粋な新曲は2曲)が加えられている。本人が言うように、これらが年代順にきっちりと収められているのがじつに興味深い。昔と今との違い、変化、成長。あるいは一貫性、変わらなさ。楽しんで聴くうちにも、これらが手にとるようにわかるからだ。
となると順番としては、必然的にデビュー前の回想から始まることになる。アメリカから帰国し、日本で何かをつかもうとがむしゃらになっていたさかいゆう。自分の才能を他者に認めてもらいたくて、なかなか認められなくて、それでも幾人かが認めてくれるような、うれしいこともあって……きっと、そんな時期だ。
「1曲目の<SHIBUYA NIGHT>の頃、クレさん(=KREVA)は『ゴツゴツのグルーヴなのに、そこにキレイな声が乗ってキレイなハーモニーがあったから興味を持った』って言ってくれてたんです。それは自分では全然意識してなかったんですよ。ただグルーヴが好きで、アーバンなハーモニーが好きだったから、たまたまああなった感じなんですね。それも今こうして聴くと、面白いなと思って……」
というわけで、話はその「SHIBUYA NIGHT」から始まる。今の今にまで連なる、彼の道のりを追ってみよう。さかいゆうと一緒に。
2008年にインディーで発表したアルバム『YU,SAKAI』に収録(録音は2007年)。SUPER BUTTER DOG、マボロシの活動で知られる竹内は当時偶然出会ったさかいの音楽に心底惚れこみ、この曲ではギターに加え、ラップでも参加している。そしてさかいの歌とピアノは、メロウでありながら、ビートが軸の音楽であることをしっかりと指向している。
「竹ちゃんって、ソウルのあるものだったら全身で好きになってくれるんです。それで当時の僕ってお客さんが10人ぐらいしかいなかったけど、しょっちゅう観に来てくれてた。雲の上の存在の人なのに『あ~俺はさかいゆうと一緒にやるのが夢だなあ』って言ってくれてたんです。『YU,SAKAI』は竹ちゃんがいないと作れなかったアルバムですね……。この頃は<FG NIGHT>というヒップホップのイベントによく行ってましたね。クレさんが来たり、GAKU-MCさんがいたり……ファンキーでメロディアスでグル―ヴィーという僕の好みの音楽ばかりやってて、あそこで人脈が広がっていきましたね。あとはジャム・セッションがすごく流行ってて、この曲ではその腕試しの興奮みたいなものを書きたかった」
2009年のKREVAのシングル「青」に収録。ヒップホップの枠を超え、すでにポップ・フィールドでもメジャーな存在になっていたKREVAは、デビュー以前からさかいの才能を高く評価していたアーティストのひとりだ。彼とのコラボはこの後も続いていくが、この曲はその最初の結晶で、両者のしなやかな感性がエレクトロな音を介して呼応した逸品である。
「僕がクレさんに書いた手紙みたいな曲ですね。クレさん、僕が自分のCDを渡したら、次の日のブログに<ずーっとさかいゆうばっかり聴いてます>って書いてくれたんです。しかも僕のCDを20枚ぐらい買って配ってくれてたらしくて、あんなにすごい人なのに、ほんとに良くしてくれて……それでうれしいな、という気持ちを書いたんですね。この曲では、トラックも歌の土台も僕が全部作って送ったら、クレさんがラップだけ入れて、すぐに返してくれたのが面白かった。こんな速い人いるんだ?って。クレさんは何かに対してケンカをずーっと売り続けてる人なのかなと思います。孤高の人、という感じ」
2009年、マボロシのアルバム『マボロシのシ』に収録。竹内朋康とは再びの邂逅となる。ミディアムテンポ、かつソフトな音像の中で、さかいの歌、Mummy-Dのラップ、楽しいコーラスがナイス・バランスで拮抗している。
「僕、マボロシの大ファンなんですけど、これはお兄ちゃんたちとの最初の共演って感じですね。セッションをやったんですけど、『デッカい音で作りましょうよ』『演歌みたいなやつ、どうですか?』『ヘンな曲作りましょうよ』とか言いながら、僕がピアノを、Dさんがリズムをドーン!カッ!と入れていくうちに、みるみる完成していきました。リリックはお互いが持ち寄りましたね。『これはフレッシュなハッピーさじゃないですよね?』とか言って。テンポもミドルだし、長年寄り添った友達とか彼女にもう一回感謝をするような曲かなと。<今日を記念日にしようぜ>という歌です」
メジャー・デビューを果たした翌年の2010年、事務所の先輩である大橋とのコラボが実現。アコースティックな質感が気持ちのいいこの曲は、同年のAugusta Campのテーマ曲として制作された。
「卓弥さんが、僕とやりたいと言ってくれたんです。仮タイトルは<午前2時の酔っぱらいの歌>(笑)。野球して、下北で寿司食べてから、スナック5個ぐらい買って、それ食べながら、ウィスキーか何か飲みながら、スタジオで録った。その年のAugusta Campのテーマがアコースティックということだったので、生音メインで作りました。歌詞は後日、傘とかコンビニとか日常のありふれたものを入れて、でも切り口はチクッと鋭いものにしたかったので、卓弥さんに<ほんとに大事なものは全部タダですよね>ってメールしたら、<それだよゆう!そこからいこうよ!>って」
2010年、KOHEI JAPANのアルバム『大人チャレンジ』に収録。日本のヒップホップの黎明期からMELLOW YELLOWの一員として活動してきたKOHEI JAPANは、現在でも人間味あふれるヒップホップをクリエイトし続けるラップ・アーティストだ。
「僕、KOHEIさんの歌がすごく好きなんです。Mummy-Dさんがスタイリッシュで野太い声だとしたら、KOHEIさんはもうちょっと弱虫で、涙腺をくすぐる声してるなって思うんですね。だから『KOHEIさんのヴォイスに興味あります』ってずっと言ってたら、向こうからオファーしてくれたんです。で、『ラップではあんまりないと思うんですけど、ワルツとかどうですか?』って。それで僕がトラックも全部作って、送りました。歌詞は『普通にラブソング書いてくださいよ、ずっと<好きだ>でいいじゃないですか』って。KOHEIさんからは『(1コーラス目の)<つま弾く>のフレーズを入れて』って言われただけですね」
2012年、福耳のシングルとしてリリース。もちろん同年のAugusta Campのテーマソングで、Augusta所属のアーティストがリレーのように唄っていく構成に仕上がっている。さかいはこの曲の作詞・作曲・プロデュースを務めた。途中で中期ビートルズ的な展開を見せるなど、多層的なスケールを持つ曲。
「僕なりの哲学が入ってる歌で、その人が唄いそうな歌詞を書いたんですよ。だから<シックスティーンノーツの>は卓弥さんの感じだと思ったし、<ゴッドからブッダから遺伝子から>は長澤(知之)さんに合いそうだな、とかね。<差出人は不明だけど>のあたりなんか、もう、山さん(山崎まさよし)……アニキ来たぁ!みたいな(笑)。山さんは『俺の一番最高音はGとかAぐらいだね』と言ってたから、B♭にしたんです。出るか出ないか、ギリギリのところに(笑)」
2013年、冨田ラボのアルバム『Joyous』に収録。原由子(サザンオールスターズ)、横山剣(クレイジーケンバンド)、椎名林檎という錚々たる顔ぶれともに本アルバムのヴォーカリストとして起用されたさかいは全部で4曲に参加した。この曲の作曲はもちろん冨田恵一、作詞はキリンジ(現KIRINJI)の堀込高樹。上質なメロディを流麗なストリングスとともに唄うさかいは、まるでポップスのスタンダードを唄うシンガーのよう。
「冨田さんには『さかいくんは16分(音符)の人だから呼んだんだ』って言われました。ほかの人の曲なので、カバーを唄うような感じでしたね。練習はして行きましたけど、フワーッて唄うのがこの曲の良さかなと思ったので、レコーディングではあまり感情を入れてません。で、30分くらい声出しして、3回ほど唄って、1時間ぐらいで終わりました。あとは冨田さんと9時間しゃべってました(笑)。すごく楽しかったですよ! 僕も音楽バカだから、たまらないんですよね(笑)。富田さんは相当熱い人です。そういうところが顔からはまったく出ないですけど(笑)、めっちゃ音楽のことを知ってる、めっちゃピュアな人です」
Shingo Suzukiを中心に集まったジャズ/ヒップホップをベースにしたバンド、Ovall。この曲はOvallの2013年のアルバム『DAWN』に収録されている。Shingoは、さかいの昨年のシングル『サマーアゲインEP』の共同プロデューサーでもあるが、かなり昔からの間柄のようだ。
「Shingoっちは、さっきの<SHIBUYA NIGHT>よりさらに前ぐらいにセッションで出会った人で、もう10年ぐらいの付き合いなんです。思い立ったら急にフランスに2、3年住んだりする、すごく面白くてピュアな奴。好きな音楽が僕と同じだしね。この曲での僕は歌だけの参加です。『失恋の感じが出るといいな』とか言いながら作りました。PVも逆回しで<あれは夢だったんだ>みたいなのを表現してます」
2013年、シングル「薔薇とローズ」のカップリングとして発表。さかいは秦よりも1歳年上なのだが、事務所ではデビュー順の関係で後輩の立場になり、「秦さん」と呼んでいるとのこと。両者のソウル・フィーリングが鮮やかに結実したナンバーである。
「本人には大きなお世話だって言われましたけど、秦さんのために作った曲です。この曲では秦さんのファルセットと、それと地声が行き来する二面性を見たかった。あと、ソウルっぽいグルーヴの上で唄ってる秦さんを聴きたかったんですよね。で、一緒にふざけながら書いてて、女を取り合う歌にしようと思ったら、悪口の言い合いになっちゃった。<あいつはメガネが嫌いだ><あいつはヒゲが嫌いだ><あいつは一重が嫌いだ><ふたりとも一重じゃないか?>……これはいかん!って(笑)。面白かったですね。秦さんは歌とアコギの相性も含めて、奇跡が起こってる人。すごいなぁと、いつも思います」
2014年、最新オリジナル・アルバム『Comin Up Roses』に収録。コスモポリタンな活動を続けるシンガー・ソングライターのエミ・マイヤーとさかいとのデュエット曲である。この時期のさかいは、ずっと傾倒してきたソウル・ミュージックの自分の資質について掘り下げていた感がある。
「エミさんとは6、7年前、インディーズの頃に対バンしていて、その時から<ああ、歌、カッコいいなあ>と思って、ずっと気になってたんです。すごくナチュラルでフランクで、すぐ友達になれる感じの人じゃないかな。この曲は僕が全部作ったんですけど、歌詞は<二人だけで満ちてゆくこの世界>の一行だけ彼女が書きました。まあラブソングにはなってると思うんですけど、<楽しくしようよ>っていう感じです(笑)。世の中、何が正しいとか何が間違ってるかなんて時間とともに変わっていくもんだけど、隣の人や出会った人を大切にしようというのは縄文時代から変わってないんじゃないかな?と。これは<LOVE & LIVE LETTER>も同じテーマですね」
「薔薇とローズ」の新録音には、ミドルティーンの女の子6人から成るヴォーカルグループ、Little Glee Monsterが招かれた。彼女たちのゴスペル的な歌唱によって厳かな雰囲気が生まれており、曲に新たな息吹をもたらしている。
「Little Glee Monster には偶然出会ったんですけど、すぐに一緒にやりたいなって思ったんですよ。めっちゃくちゃうまいんです! 同じシンガーとしてすごく感動したんですね。今回のコラボでは、ライヴハウスで俺が弾き語りで唄ってたら彼女たちがフラッと遊びに来て、いきなり唄ったらすごかった、みたいな雰囲気がいいなと思って、アカペラとピアノというアレンジにしました。彼女たちの歌唱力、やっぱりすごいですよね。それにまだ色眼鏡なしで洋楽も邦楽も聴ける耳を持ってるから、一緒にやるなら今だ!と思ったんです」
さかいには珍しく4つ打ちのニュアンスを持つポップ・チューン。昨年11月に東京と大阪で行われた5周年記念ライヴでオーディエンスの手拍子を録音し、それを使用している。歌そのものは、この世界でともに生きていく、自分に近しい人たちへの思いを綴ったもの。
「自分と相手の笑うツボが一緒、泣くツボが一緒ってことは、怒るツボも一緒の可能性があるじゃないですか。人間って、そういうものを一緒に探せる仲間をずっと求めてると思うんですよね。ケンカし合いながらもちゃんと笑い合える、いろんなものを共有する、という曲です。で、僕のお客さんはたぶん僕の曲が呼んでるわけで、まさに鏡だな、と思うんです。だからこの曲にクラップとかを入れる試みをするのはいいなと思って、一緒に録音しました」
ふたつ目のニュー・ソングには日本を代表するジャズ・トランぺッターの日野皓正が参加、じつに豊潤な音色を響かせている。ベースを弾く日野JINO賢二が彼の実の息子であることから実現したという。社会や人生の中での自分たちにフォーカスしたこの曲は、NHK BSプレミアムでOA中のドラマ『アイアングランマ』の主題歌でもある。
「最近の一番のお気に入り曲です。JINOとやろうと思った時に、親父さんも来てくれたらうれしいなと思ってたので、感動しましたよ! 曲を聴いてもらったら、『なかなかこんなポップス作る奴いないよな? Yeah! What's UP,Son!』って(笑)。面白かったのは『6時ぐらいに来てくださいね』って言ったのに、3時台にはもう来てくださってたこと。それで息子が失敗するたびに『あいつはクビだ!』って言うんです(笑)。演奏については、もうお任せしました。それからこの曲が主題歌になったドラマを監督している飯田譲治さんは昔からの親友で、この人もお客さん5人ぐらいの時から観に来てくれてたんですよ。今回やっと一緒にやることができて、うれしいです」
以上、全14曲。さらにこのアルバムでは、ジャケットでも初のコラボレーションが行われている。にぎやかでファニーなイラストは、俳優や作家として知られるリリー・フランキーの筆によるもの。アルバム・タイトルとともに、かわいい印象をもたらすものではあるが、よく見ると……やっぱりリリー氏らしさがある。
「リリーさんには去年<ザンジバルナイト>(リリー氏主催のライヴイベント)で初めてお会いしたんですけど、僕はエッセイ本を買ったこともあるし、スタッフ全員ファンなんです。それで今回お願いしたんですけど……何かありますよね、毒みたいなものが(笑)。でもすごくかわいい、という」
さて、こうして話を聞いてきて、お客さんが5人とか10人の時代にまで翻られると……デビュー5周年を超えたさかいだが、このアルバムの向こう側に足かけ10年になろうという時間のレンジとそこでのドラマがうっすらと浮かんでくる。ゼロ年代も中盤に差しかかった頃。それこそ「薔薇とローズ」で唄われた、狭い部屋の中に置いたローズピアノの下で寝起きしていた日々か。
本アルバムでとくに際立つのは、初期の彼にはラップ/ヒップホップ系の人脈が多かったという事実だ。今、さかいゆうをそっち寄りのアーティストだとイメージする人は少ないだろうが、ことコラボという観点でこうして切ると、その手のビートをはらんだ歌と音楽は、紛れもなく彼のサウンドの重要な一部分だったことが確認できる。
「それは考えたこと、なかったですね……だって今でも人脈的にはそうですし、自分の趣味趣向も変わってないんですよ。ただ、その頃は自分の声を使って、個性を見つけるのに必死でしたね。<うまい人はほかにいっぱいいるな>と思ったし……それはピアノも同じです。とにかく自分のヴォイスを見つけることに命を懸けてた。それがすべてだと思ってましたね」
その声にKREVAも、そしてオフィスオーガスタのスタッフも反応した。デビュー後には冨田恵一をはじめ、さらに多くの人々の心を引き寄せていった。楽曲とサウンドのセンスと、天が与えた歌声。それらの融合が生む感動こそ、さかいの音楽の奇跡である。彼はそうして手元に近づいてきた糸をたぐり寄せながら、今につながる道を……ここまでの軌跡を描いてきたのだ。日本の音楽シーンは男性ソロ・アーティストにとっては不遇の時代が続いてずいぶんと長いが、その中でもさかいはマルチな才能を発揮しながら奮闘しているひとりだと思う。
そして彼は、まったくひとりで音像を作り上げてしまうソロ・アーティストとしての横顔も持つが、かといって、決してひとりだけで生きてきたわけではない。いろんな人と笑いながら、語りながら、たぶん、時にはツラい時も共有しながら……。
『さかいゆうといっしょ』は、こうしたものがまことによく表れているアルバムなのである。
「コラボって、参加したみんなで<出たものは仕方ないじゃん!>みたいな感じで、楽しくやってるものなんです。リリーさんのジャケにも、そういうものが出てると思うんですね。それが作品全体を通じて感じてもらえたら、うれしいです」
そう。そしてこのアルバムで、人生って面白いと、いろんなつながりがいろんなものを生んでいくのを感じるのも、楽しいと思う。
だって楽しむしかないでしょう。音楽の奇跡で誰かの何かとつながることができる人生を、一緒に。
そう。さかいゆうといっしょに。
★バンドメンバー決定!
G・竹内朋康 / B・鈴木渉 / Dr・Fuyu / Key・pochi
問合せ:SOGO 03-3405-9999